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日商簿記検定とは、帳簿の付け方や帳簿に書かれている数字の意味を把握するだけではなく、経営管理や経営分析の基礎能力があることを認定する資格です。簿記は規模の大きい小さいに関係なく業種や業態も問わず、企業が日々の経営活動を記録、計算して整理する経営成績と財政状態を明らかにするための技能です。その簿記を理解することで、財政諸表を読む力や基礎的な経営管理能力、分析力が身につきビジネスパーソンとして大きな戦力となることができます。
簿記の2級は、商業高校を卒業したのと同程度のレベルがある事の証明とされ、経理担当者としての知識を持っている事の証明にもなります。また、世間一般には履歴書に記載して評価されるのも2級からです。そのため、1つの区切りとして2級の取得が推奨されています。受験者にとっても比較的取りやすいので、そのことも理由の1つといえるでしょう。簿記の合格基準は、合計70点以上という絶対評価を使用しています。また、1回の試験による合格者の上限もないので、点数さえ取れれば受験者全員が合格する事も可能です。
簿記2級の平均合格率は約3割といわれています。決して楽して合格できる数字ではありません。ですが、諦めるほど高い数字でもありません。簿記の知識が無い状態から始めても、200時間程度の勉強で取得できる例が多々あります。
簿記を持っていれば転職できるというわけではありません。確かに簿記は、転職に有利な資格といっても過言ではないでしょう。ですが、数字に強くしっかりとした基礎ができているということで、それ以上の意味はありません。転職の場合、企業は即戦力として働けるかどうかを判断基準とします。どんな資格を持っているかよりも、どんな経験を積んでその資格で何をおこなってきたか?を重視するでしょう。面接でも、資格がある事をアピールするのではなく、どんな時にその資格が役に立ったかを話した方が、印象は良くなるでしょう。
本気で転職やキャリアアップを考えているのであれば、簿記の2級にチャレンジするのもいいことですが、決して簡単ではありません。そこで簿記の経験がないのであれば、まずは3級を取得する事をおすすめします。2級の取得に必要になる知識ですし、試験も午前中に3級で午後から2級を実施するので、自信があれば同時に受ける事も可能です。企業の中で、必要となる知識ですので転職の有無にかかわらず、取得するのも良いのではないでしょうか。